新卒の就活の場合ですと、多くの場合は聞かれる質問や自己PRする事などがテンプレートのように決まっていました。
自己PRも学生時代に取り組んだ学問やアルバイト、サークル活動などが中心ですので、どの学生もあまり違いが見えにくいという形でしたし、何より履歴書やエントリーシートの項目がキッチリと決められているので、カスタマイズする余地はあまり大きくありませんでした。
転職の場合、履歴書はやはり標準形の物を使うのが一般的ですが、職務経歴書は完全にフリーです。
職務経歴書、実際はどうしている?
転職の職務経歴書は、どのようなテンプレートを使っても構いませんし、長さも自分で決める事が出来ます。
ここが逆に「自由すぎてどうしていいのかわからない」という転職の悩みにつながりやすいポイントかもしれません。
実際には多くの場合、「1種類だけを使いまわす形」「数種類を使う形」「完全に1社ごとにオリジナルを作成」の3パターンほどがあります。
ひとつの職務経歴書を使いまわす方法
職務経歴書を1種類だけ用意して、様々な企業に応募するというのも一つの方法です。
メリットとしては、何を書いてあるのか、どの部分を聞かれやすいか、自己PRにどうつなげるか等が、1種類ですので覚えやすいという点があります。
何社も同じ職務経歴書を使って面接を受けていますと、何を質問されるのか、どこが引っかかるのか、そういった部分もわかってきます。
新卒の就職活動と同じように、受ければ受ける程に精度も上がって、採用になる確率が上がってくる形となります。
しかし、デメリットもあります。
どこの企業に行っても使えるように書こうとしてしまいますので、やはり「平均的で無難な内容」になってしまいがちです。
どの会社にでも良く聞こえるようなアピールを書こうとしますと、どうしても一般的で無難なアピールになってしまいがちですので、「ここがポイントです!」という強い自己PRや、人事の印象に残る書類になりにくいという部分はあります。
複数の職務経歴書の使い分け
一方で、職務経歴書を数種類使い分けるという方法もあります。
この方法にはいくつか種類があり、「完全に1社1社書き分ける」という物と、「3種類程を使いわける」という方法があります。
完全に1社1社書き分ける場合
在職中の転職活動の場合ですと、やはりこの方法がベストかと思われます。
在職していますと、退職後のように週に何件も面接に行くのは不可能です。会社にバレないように行動する、という点から考えましても、月に1社2社とスローペースな転職スピードになってしまいます。
その分、あれもこれも受けるのではなく、「本命の1社のみ狙い撃ち!」といった転職方法になりますので、その会社に一番アピールになりやすい職務経歴書を書く時間と労力が取れます。
転職の成功率としてもやはり一番高い書き方と言えるかも知れません。
2~3種類を使いわける
もう一つの方法は、2、3種類ほどの職務経歴書を使いわける方法もあります。
既に退職済みでいくつもの企業面接を受ける場合は、こちらの方法の方がスムーズになる傾向があります。
使い分け方には色々な方法がありますが、自分のスキルを2,3種類に分けて、それぞれのスキルを中心にアピールする職務経歴書を作る方法があります。
例えば、営業マンの場合。
1.「新規顧客への飛び込み営業を強くアピールする職務経歴書」
2.「リピート顧客からの信頼の高さをアピールする職務経歴書」
3.「部下を育成して成果をだしたことをアピールする職務経歴書」
こういった3種類に分ける、といった方法です。
完全に1社1社にカスタマイズした職務経歴書ほどのインパクトはなくとも、やはり自分のスキルのどれを相手の会社にアピールするか、選べるのは大きなメリットです。
職務経歴書の成功のコツは?
転職の成功のコツは、やはり「自分はこの能力(技術・知識・経験)で御社の役に立ちたい」というアピール力が、どれだけあるかに左右されます。
そのため、いくつもの企業にどこに出しても同じように読める職務経歴書は、「この能力を活かせる!」というアピールが不足しやすく、なかなか苦戦するパターンにもなりがちです。
可能ならば1社1社に、それが無理でもいくつかの種類を持つ事で、選択肢は大きく広がり、より自分を伝える機会に恵まれる結果になります。