一昔前は一つの会社に終身雇用が一般的でしたので、「転職経験がある」というと、
「何か理由があるのでは?」と考えられたそうですが、現在はずいぶんと状況が違います。
大企業でも転職経験者が多く在籍し、役職に就くのも当たり前となっていますので「転職者だから不利」という時代ではもはやありません。
とはいえ、実際の転職活動におきましては、あまりに転職回数が多すぎますと不審に思われる事もあります。
どの程度、どういった転職なら不利にならないかをまとめました。
転職回数は何回程度なら問題なし?
どの企業でも中途採用で即戦力を採用したいと考えていますので、同業他社やよくにた業種で活躍されていた方であれば、数社の転職経験は全く問題にならない事が大半です。
また、その業界や職種が未経験であっても、20代30代なら積極採用という企業も多く、2,3社の転職経験は(悪い意味で)目立ってしまう事はないと思われます。
逆に、業種や職種がバラバラで、どの仕事も1~2年しか続かないまま、転職回数が四回や五回…となってきますと、さすがに疑問をもたれてしまう場合もあります。
転職回数よりは、転職した理由が重要
転職回数が多いと採用担当者が感じた場合、面接では「なぜ転職回数が多いのか」という質問が投げかけられます。
この質問への答えによって、有利不利は大きく変わる事もありますので注意が必要です。
転職理由のNG例
やはり、この転職理由が重要になります。良くない例の代表的な物としては、
・「人間関係が悪かった」
・「この仕事に向いていないと思った」
・「ブラック企業だったので」
・「体調を崩した」
・「給与が割に合わない」
などは、実際にそうであっても避けておく方が安全です。
「入社後に同じ理由で辞めてしまうのでは」という不安を採用担当者に与えてしまうためです。
1度目の転職ならこれらの理由で説明する事も可能ですが、転職回数が多くなるほど、上の例文は使い辛くなる傾向があります。
転職理由のOK例
たとえ転職回数が多くとも、今までの転職の理由とそのキャリアに一貫性がある場合は、必ずしも不利になるとは限りません。
むしろ、「自身のキャリアに誠実に向き合っている方」という印象を与え、スペシャリストとして見られるようなケースもあります。
例えば。
今まで転職の履歴を見た時、全く違う業種、違う職種を転々としていて、そこに一貫性がどうも感じられない…といった場合は、やはり相手に良い印象を持たれるのは難易度が高くなります。
逆に、同じ業種や似た業種の中で、転職を重ねる毎に担当する業務レベルが上がっていっている場合ですと、人事担当者からは「この業界内でキャリアアップのために転職している」という印象を与える事が可能です。
まったく同じ職種や業種で数社を転職している場合も同様です。
業種や職種を変えないという事は、この仕事を続けていく意思があると見られますので、以前の職場とは条件面が合わなかっただけと考えてもらえるケースも多々あります。
重要なのは、一貫性
転職回数が何回からNGか、というよりは、どれだけその転職に一貫性があるかという方がポイントとなります。
「無計画に見える転職が1,2回の転職者」と、「計画的に転職を4回してキャリアを積んでいる」とでは、やはり後者の方が回数が多くとも有利となります。
回数ではなく、「なぜここで転職したのか」を、納得のいく形で説明できることが、回数の説明によりプラスになると思われます。